(株)東芝の不正会計について、当初、工事進行基準において不適切な処理が行われていたことが発覚しましたが、これ以外にも下記の「会計処理の妥当性に懸念を抱かせる資料等が発見された」そうです。
映像事業における販売促進費等の経費の計上時期
半導体製品における製造棚卸し資産の一部評価
パソコン事業の製造委託先との取引における損益計上時期および金額
いずれも期ズレの問題のようです。
期ズレとは、収益または費用の計上時期が実際とはずれることです。
例えば、インフラ事業の工事進行基準では見積総原価を低く見積もっていたそうですが、この場合、工事進行基準では進捗率にあわせて売上と原価を計上します。
進捗率が50%であれば売上も原価も50%で計上します。
しかし、見積総原価を低く見積もっていると、この段階で原価が少なく計上されるので利益が増えることになります。
しかし、工事が完成したら、その期に実際の原価を計上しなければならないので、今まで低い原価しか計上していなかった分、原価が増えて利益が減ることになります。
トータルで見れば利益は変わらないのですが、途中の期では利益を多く見せることななります。
こうして、過去の決算において利益を先だししてきていたようです。
ミスでか故意でかはまだわかりませんが、会計処理を正しく行わないと業績が大きく変わってしまうので、利害関係者には大変な迷惑ですね。