代襲相続は、本来の法定相続人が相続するはずのところ、例えば、本来の相続人が先に死亡しているというような事情があり、相続できない場合に、その次の相続人(直系卑属)が相続する場合を指します。
具体的な例で考えた方がわかりやすいでしょう。
例えば、夫(A)、妻(B)、息子(C)、娘(D)の4人家族があったとします。息子Cは、すでに結婚し、長男(C´)が生まれていたとします。つまり、夫から見ると孫にあたります。
この家族に不幸が起こってしまい、Aよりも早く、Aの息子であるCが亡くなってしまいました。
その後、Aも病死してしまいました。
本来であれば、A死亡時の法定相続人とその相続分は、妻であるB(2分の1)と子であるC(4分の1)とD(4分の1)となるはずです。
ところが、Aの死亡よりも前にCが亡くなっているため、Cは相続ができません。
それでは、このCの相続分はどこに行ってしまうのでしょうか。
この問題を解決するのが、代襲相続という制度です。
この場合、Cの直系卑属であるC´に相続権があることになります。
相続分はCのものを引き継ぐので、Cと同じ4分の1です。
なお、先にAが亡くなり、その後Cが亡くなるのは代襲相続ではありません。
この場合、Aの死亡によりCが法定相続人としてまず相続して、その後Cの死亡により、C´がCの財産を相続するという流れになります。