※守秘義務の観点から、内容は、実際の事例とは適宜変えてあります。
母が他界した際、遺言書が残されていました。私は、次男で、母の子としては、他に兄と妹がいます。母は、生前、私の兄と同居していましたが、兄は離婚して、母と二人暮らしでした。母が亡くなり、兄から開示された遺言書を見ると、驚く内容でした。母が、兄に遺産のほとんどを相続させ、私と妹には、田舎の使いようがない土地を相続させるという内容でした。
慌てて、こちらの弁護士さんに相談しました。私としては、母の生前、母と私との関係は良好なものでしたし、正直、兄には不審な行動や言動が見られたので、遺言書は兄が実質作ったのではないかと思っていました。そのことも弁護士さんに話しましたが、遺言書は公正証書になっていましたし、証拠がないため、遺言書の無効を主張するのは相当に困難であるとアドバイスを受けました。
同時に、遺留分というものがあり、 6分の 1は私の遺留分として兄から取り戻すことができるとも聞きました。私は心情的なものもないわけではありませんでしたが、法的な手続きというのは証拠をもって決定づけられるものだということは何となくわかっていましたので、最終的には、遺留分の減殺請求という形で、決着を付けようと決心し、こちらの弁護士さんにお願い致しました。
弁護士さんが遺産を調べると、兄が母の遺産をきちんと管理していなかったために、遺産の範囲などが非常に不明確であることが後でわかりました。また、多数の使途不明金があることがわかりました。これらを明らかにするために、弁護士さんに動いてもらい、結局調停を申し立てることになりました。
調停になっても、兄は非協力的で、解決しようという態度も見せませんでした。それでも、弁護士さんに根気よく調停をしてもらい、最終的には、相当程度、隠れた遺産が明らかになり、調停が成立しました。私も、それまで気苦労が多かったですが、解決できて本当に良かったと安堵しました。
ところが、安心したのも束の間、兄は調停で約束した金額を期日までに支払ってきませんでした。
そこで、弁護士さんにお願いし、今度は強制執行というものをして頂き、最終的には強制的に約束した金額を取り戻すことができました。
兄とは、絶縁状態となってしまいましたが、調停と執行を通じて、兄の考えやこれまでの母との生活の真実が私にはわかったような気がして、今は気持ちがすっきりしています。家族といえども、人間関係にはいろいろあるものですが、問題を「解決する」ということは、何においても重要なものだと感じた次第です。最後まで、「解決」
に向けて動いてくれた弁護士さんには本当に感謝しています。