越谷市商工会議所青年部 視察研修第2弾は・・・
昨年の大ヒットドラマ「下町ロケット」のモデルとなった会社の「株式会社植松電機」さんです。
巷では「リアル下町ロケット」とよく呼ばれています。
先に個人的な感想を述べさせて頂くと、本当に心に突き刺さる・・・そして心を動かす、非常に有意義な視察研修だったと感じております。
「思うは招く」
ロケット事業を行う植松電機の植松専務がおっしゃっていた今でも大事にしている言葉ですが、夢を描き、叶えるための言葉です。
こんな書き方をしてしまうと、夢を叶えるためのよくある怪しいセミナーに思われてしまいそうで怖いですが、「下町ロケット」を見たり読んだりされた方はある程度真意が伝わるのではと思います。
下手な文章で読みづらいと思いますが、まずは、会社経営の観点から書かさせていただきます。
植松電気さんは北海道赤平市にある会社ですが、この地はもともと炭鉱業が盛んだったため、鉱山を掘るための機械などの製造を主として行っていたようです。
皆様がご存知の通り炭鉱業はその後衰退するのですが、植松電機さんはそれまでの機械の製造で得た知識とスキルで、今度は建物の解体の際に出る鉄くず等だけを集めて取れるマグネットの製造に展開していきます。
製造業ではよくありますが、製造販売した機械の保守や修理といったアフターサービスが必ず発生しますがここではその後アフターサービスが大変になり重荷になってきたため、「壊れない機械」を造ることに力を注ぎ始めます。
すると、
→ 壊れない高性能・高耐久性機械の製造
→ 壊れないので売れなくなる
→ が、敢えて売らない(納期の待てない客には売らない)
→ ハイスペックなうえに貴重なため、さらに価値が高くなる
→ 忙しくもなく、かつ高単価なため利益が出る
といった好循環になったそうです。
さらに、強力な電磁力をつけたマグネットを製造する場合、通常巨大化・重量化してしまうところを高性能でかつ軽量化・コンパクト、省エネにすることにより、他社が対抗できずこの業界では寡占、もしくは独占状態のレベルになっている凄さです。
そして、この本業での利益がロケット事業の礎となります。
【ポイント】
①まず衰退した産業からうまく異なる産業に対応した適応能力
②アフターサービスの大変さを逆手にとって壊れないもの(高耐久性)を作り、かつ多売せずに付加価値をつけたこと
③競争企業がいなくなるほど、さらなる高品質・高性能なものを作り出す技術力とその努力
④現状で満足せず、本業で得た利益を次の事業(ロケット事業)につなげる展開力
ポイントをまとめると以上のようになります。
製造業でこれが実現できる会社は理想のような会社ですが、実現している植松電機さんの凄さに感嘆致します。
第2弾②に続く・・・
越谷市・春日部市の税理士 鴫村税務会計事務所