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経営者に必要な資質として、読む力、問う力、つなぐ力が必要と山口先生はおっしゃっていました。
読む力は最初に書いたように、時代の流れ、経済の先行きを読む力で、それにより過剰設備などの間違いをしないことが大事ということになります。
問う力は、経営者は常に今の自分のやり方でいいのかを自らに問い続けなければなりません。イオンのような大きなところも、すでにショッピングモールのよ うな大型店から、ネットでの注文配達から、アコレのようなコンビニを少し大きくした規模を街中に点在して出店しています。
これは、車で大型店で買い物をするというスタイルから高齢者が通える近くの範囲でコンビニ+αくらいの規模のスタイルに時代とともに変化をしてきています。
企業は常に今のやり方でいいのかを考えながら時代に合わせて変化をしていかなくてはなりません。
つなぐ力は中小企業の場合は自社ですべてのことはできません。提携企業を作って連携をすればいいのであって、自社で全部をやろうとはしないことが必要です。
さて、そんな中、景気が必ずしも良くなるというわけではない環境の中で中小企業が生き残っていくためには、やはり新たな需要を見つけ出すしかない、あるいは作り出すしかありません。
とはいえ、新たの需要などはそう簡単にポッと出てくるものではありませんが、中小企業だからこそできるものはあります。それは、大企業の場合は新たの市 場が1億円くらいの小さな市場であったとしても、そこでシェアを取れれば十分に利益を出せるということです。そんな小さな市場には大企業では採算が取れず に進出できません。
中小企業はそういったニッチな市場で新たな需要を作り出すことができます。
新たな市場を探す場合に大切なのは、今やっている事業の隣接異業種に挑戦する、ということです。全く、かかわりのないところでやるにはコストも時間もかかりすぎます。今やっている事業と関連性がありながら、今とは違う何か、です。
たとえば、もともと不動産業の方が車好きで郊外にガレージハウスを販売するようになり、そこからガレージの廃棄をするシステムを製造業者と提携して販売 に至ったケースや、パチンコの会社が、同業者が廃業するのを見ながら、廃業する業者をたの会社に紹介するようになり不動産仲介業のような形に変化したケー スなどがあります。
そのように自社の事業とかかわりのある隣接異業種を探し、そこに対して売上の5%を新たの試みとしてやり続け、5年計画くらいで考えるのがいいのではないか、とのことです。
5年計画というのは、中小企業には情報も人材も資金も限りがあります。いきなり成功させようとすると多大が借り入れをして・・・など、リスクも大きくな りますが、売上の5%くらいを新たな試みに試すのであれば可能かと思います。その中で、5年の時間をかければ実現可能ではないでしょうか、ということで す。
このように、今後人口が減少していく日本の市場で業績を上向かせていくには何か新たなことに挑戦をし続ける姿勢と長期的な計画が必要だと改めて感じさせられました。
越谷市の税理士事務所 鴫村税務会計事務所