財産が少ない方が相続問題は骨肉の争いに
相続税増税を前に、相続問題への関心が高まっています。
相続は一般的に資産家だけの問題と思われがちですが、実は財産が少ないケースの方が争いに発展するケースが多くなります。
近年、相続での争いの件数は急増しています。
10年度の司法統計年報によると、家庭裁判所への相続関係の相談件数は約18万件で、10年間で倍増しており、調停が成立したのは約8千件で、そのうち、相続財産が1千万円以下というのは31%もありました。
では何故資産が少ない家庭のほうが争いに発展するのでしょうか?
預貯金などの金融資産が多額にあれば金銭を分割すれば解決できますが、
「財産は自宅だけ」など、資産が不動産に集中していて、分割しにくいというのが1番の理由です。
そうなると資産家だけの問題ではなくなってくるのです。
相続問題のほとんどは親族間の争いです。
一旦、相続で揉めてしまうとほとんどのケースは親族間の関係修復は難しくなってしまいます。
何十年も裁判を行うケースも稀ではありません。
また、精神的な苦痛も相当になってきます。
一度揉めてしまうと将来に渡って禍根を残すことになってしまいますので、少しでも早く相続について親族間で話合いをすることこそが最も重要になります。
まずは現状を把握して、その後時間を掛けて対策することこそ一番の相続対策と言えるでしょう。